令和恋日和。 ~触れられない距離に恋をして~
午前の光の中で、二人はゆっくりと話を始めた。日常の小さな出来事――昨日見た映画の感想、仕事で起きた面白いエピソード、最近気になっているカフェの話――から、趣味や未来の夢へと話題が広がっていく。特別なことではないけれど、互いの声を聞くだけで、時間が特別に変わる。
「僕、芙美さんといると、自分でも驚くくらい安心するんです」
侑がふと真剣な表情で呟いた。その言葉に、芙美の胸がじんわりと温かくなった。
「私も……侑さんといると、自然に自分でいられるんです」
芙美の言葉には、心の奥からの誠実さがにじんでいた。彼女は、侑の瞳を見つめながら、これまでの自分を振り返った。恋愛に臆病だった頃の自分。それが、侑との時間を通じて、こんなにも素直に心を開けるようになっていた。
侑は、芙美の言葉に柔らかく微笑んだ。二人の間に流れる静かな空気が、まるで心の奥で響き合うようだった。互いの思いを確認することで、二人の絆はさらに強くなっていた。