令和恋日和。 ~触れられない距離に恋をして~
店を出ると、昼休みの雑踏が二人を包み込んだ。オフィス街を行き交う人々、車のクラクション、遠くで響く電車の音。それでも、二人のテーブルの周りだけは、時間がゆっくりと流れているようだった。芙美は、侑の隣を歩きながら、胸の奥に小さな幸せが灯るのを感じた。
この人といると、こんなにも心が軽くなる。
侑もまた、芙美の笑顔を見つめながら、同じ思いを抱いていた。この短いランチの時間が、まるで日常に新しい色を塗るように、二人の心を満たしていた。
二人の物語は、こうして少しずつ、確かなものになっていくのだった。