愚図な妖狐は嗜虐癖な陰陽師に甘く抱かれる ~巡り捲りし戀華の暦~
「分かった。悔しいが、おれはもうお前に刃向かえない。だが、条件がある。お前の式になるには、おれは惨めなほどに力不足だ。血反吐を吐いてでも神獣や鬼と互角になれるほどに急ぎ強くなる」
──だから、暫くは待って欲しい。
ただそれだけを告げて、タキは朝霧の中に姿を消した。
──だから、暫くは待って欲しい。
ただそれだけを告げて、タキは朝霧の中に姿を消した。