英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 そう察したとたん、意識しないまま浴びていた言葉の棘にも気がついてしまう。

(さっき、わたしのことを「アレクシア」でも「夫人」でもなく、「ブラッドリー嬢」と旧姓で呼んだのも、わざとだったんだわ……)

 いっそう反発心が沸き上がったが、相手は賓客であり、これ以上の対立は悪い結果を生むだけだ。

「申し訳ありませんが、これで失礼いたします」

 一礼をして身を引こうとしたが、相手の陣営はそれを許さなかった。侍女らが一歩踏み出し、口々にわたしを責め立ててきたのだ。

「ちょっと、晩餐会での姫様への暴言を、謝らないつもり!?」
「そうよ、謝罪しなさい! この無礼者!」
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