英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「アレクシア様は先日のことを、わたくしに謝ってくださったんです。嬉しくて近づこうとしたら、馴れ馴れしく触るなと怒られてしまいました。ですが、あの件は水に流すことにいたしましたので、ご安心ください」

 よくもまぁ、息を吸うように嘘が言えるものだ。わたしがじっとりとした視線を向けると、姫は困ったような笑顔を作った。

「嫌ですわ、先ほどの話は冗談ですのよ。アレクシア様、これからはどうか仲良くしてくださいましね」

「……わかりました」

 渋々と返事をするほかに選択肢はない。本当に、彼女の言葉どおりであればいいのだが。
 重苦しい雰囲気を断ち切るように、ルシウス様が場を引き取った。
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