英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 その場にいるようにとの合図に従い、立ったままでいると、ルシウス様が隣に来て、窓の外に視線を向けた。わたしもそれにならい、並んで空を見上げる。

「素敵なお部屋ですね」
「ああ……。だが、どうにも不思議な気分だ」
「なにがでしょう?」
「おまえとこうして話が通じていることが――と、失礼」

 これまでのアレクシアとは、会話にならなかったということなのだろう。

「わたしが言うのも変ですが、ご不便をおかけしました」
「謝る必要はない。記憶喪失というのであれば、困ることもあったのではないか」
「ええ、まぁ……。けれどもう慣れました。普通なら信じがたい話を受け入れてくださっていることも、ありがたくて……」
「……そうか」
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