英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「そんな……」
困った顔をした老支配人を、いくら問い詰めても無駄のようだ。
店内にはほかにも対応を待つ客がいて、押し問答をしてはいられない。もし指輪の行方がわかったら連絡をくれるようお願いして、渋々とその場をあとにした。
がっくりと肩を落として店を出る。
夕日を鬱陶しく感じるほど、気分が重かった。
目の前の道には、さまざまなものを買いつけにきた人たちがまばらに行き交っている。この中に、指輪を買った人物、またはその関係者が紛れていないだろうか。
諦めきれずにそんなことを考えていると、横から「あの」と声をかけられた。振り返ると、ひとりの男性が立っている。
見たことのない顔だ。頬は痩せていて労働階級の人物に見える。真新しいローブを纏っているから、どこかの家に仕えはじめた使用人かもしれない。
「先ほど、あっちの宝飾店にいらっしゃいましたよね。店主との話が聞こえたのですが、少し心当たりが……」
「えっ!?」
思わぬ申し出に、つい大声を出した。
困った顔をした老支配人を、いくら問い詰めても無駄のようだ。
店内にはほかにも対応を待つ客がいて、押し問答をしてはいられない。もし指輪の行方がわかったら連絡をくれるようお願いして、渋々とその場をあとにした。
がっくりと肩を落として店を出る。
夕日を鬱陶しく感じるほど、気分が重かった。
目の前の道には、さまざまなものを買いつけにきた人たちがまばらに行き交っている。この中に、指輪を買った人物、またはその関係者が紛れていないだろうか。
諦めきれずにそんなことを考えていると、横から「あの」と声をかけられた。振り返ると、ひとりの男性が立っている。
見たことのない顔だ。頬は痩せていて労働階級の人物に見える。真新しいローブを纏っているから、どこかの家に仕えはじめた使用人かもしれない。
「先ほど、あっちの宝飾店にいらっしゃいましたよね。店主との話が聞こえたのですが、少し心当たりが……」
「えっ!?」
思わぬ申し出に、つい大声を出した。