英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
思いがけない話に、血の気が引いていく。
過去に似たような噂がメイドの間で流れたことがあるが、まさか遠く離れた都の人々にまでそんなふうに思われていただなんて。
ルシウス様もこれには驚いたようで、寝耳に水といった表情を浮かべている。
「とはいえ、噂の出どころはわかっているんだが……十中八九、僕の兄、すなわち王太子の差し金だろう。あの人は、父王に信頼され、国民からも人気があるルシウスの評判を落としたくてたまらないんだ」
「あのお方の嫉妬深さは困ったものですわ……。臣下であるうちの息子をライバル視する意味はないのに」
リアム殿下とグレイス様の話をじっと聞いていたルシウス様は、静かに視線を伏せて言った。
「実は当方の調査でも、崩れた橋の橋脚に工作の痕跡が見つかり、それに王太子殿下直属の兵が関与していることは察しておりました。なにかお考えがあるのだろうと、黙していたのですが」
「やはりそうか……。だが犯人がわかったところで、王太子の私兵には特権が与えられていて、罪には問えない。すまないな、ルシウス……」
過去に似たような噂がメイドの間で流れたことがあるが、まさか遠く離れた都の人々にまでそんなふうに思われていただなんて。
ルシウス様もこれには驚いたようで、寝耳に水といった表情を浮かべている。
「とはいえ、噂の出どころはわかっているんだが……十中八九、僕の兄、すなわち王太子の差し金だろう。あの人は、父王に信頼され、国民からも人気があるルシウスの評判を落としたくてたまらないんだ」
「あのお方の嫉妬深さは困ったものですわ……。臣下であるうちの息子をライバル視する意味はないのに」
リアム殿下とグレイス様の話をじっと聞いていたルシウス様は、静かに視線を伏せて言った。
「実は当方の調査でも、崩れた橋の橋脚に工作の痕跡が見つかり、それに王太子殿下直属の兵が関与していることは察しておりました。なにかお考えがあるのだろうと、黙していたのですが」
「やはりそうか……。だが犯人がわかったところで、王太子の私兵には特権が与えられていて、罪には問えない。すまないな、ルシウス……」