英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
ルシウス様が動く気配を見せたので、エスコートに合わせてゆっくりと歩き出した。
「主役がいらしたわ。正装したお姿も一段と凜々しくて素敵ね」
「隣にいるのは本当にアレクシア夫人か? だいぶ雰囲気が違うような……」
移動の最中、人々の囁きがさざ波のように伝わってくる。ルシウス様への賛辞と同じくらい、わたしに向けられる関心も強いようだ。
自分がどう見られているのか気にかかったが、会場のどこかに父もいると思うと、不用意に見回すのは躊躇われた。まっすぐ前を向いたまま一般席の間を抜けて、右翼側の最前列の席に腰を下ろす。上座の壇が目の前に見える特等席だ。
舞台は壮麗に仕立てられ、正面の壁に吊り下げられた巨大なタペストリーや、中央に用意された王と王妃のための豪華な椅子など、美術館のような光景が目を楽しませてくれる。
それらをじっくり鑑賞する間もなく、式の開始を知らせる鐘が鳴った。
「主役がいらしたわ。正装したお姿も一段と凜々しくて素敵ね」
「隣にいるのは本当にアレクシア夫人か? だいぶ雰囲気が違うような……」
移動の最中、人々の囁きがさざ波のように伝わってくる。ルシウス様への賛辞と同じくらい、わたしに向けられる関心も強いようだ。
自分がどう見られているのか気にかかったが、会場のどこかに父もいると思うと、不用意に見回すのは躊躇われた。まっすぐ前を向いたまま一般席の間を抜けて、右翼側の最前列の席に腰を下ろす。上座の壇が目の前に見える特等席だ。
舞台は壮麗に仕立てられ、正面の壁に吊り下げられた巨大なタペストリーや、中央に用意された王と王妃のための豪華な椅子など、美術館のような光景が目を楽しませてくれる。
それらをじっくり鑑賞する間もなく、式の開始を知らせる鐘が鳴った。