英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「夫人は、こちらにお立ちください」

 係の者に声をかけられ、仕方なしに中央に設置された証言台についた。

 正面を向くとちょうど特等席にいる三人が目に入る。真ん中の議長席には国王が座り、右隣には王太子、左側には参考人のための席が設けられ、公国の使者が腰かけている。

 この中でもっとも気になるのは王太子の動向だが、いったいどのタイミングで仕掛けてくるつもりなのだろう。

「それでは、中断していた審議を再開する」

 議長である王が、舵を取った。その話しぶりだと、どうやらわたしのいないところですでに議論が交わされていたようだ。

「ルシウス・レオパルドの妻、アレクシア。公国からそなたへ苦情が寄せられている件について、正しい事情をくみ取るため、いくつか確認をしたい。偽りなく答えるがよい」

「は、はい……」
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