英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「公国の姫はそなたに虐げられたと言っているそうだが、本当か」

「……昨日も申し上げたとおり、わたしは潔白です。あの方は自分の思いどおりにいかなかったことに憤慨し、嘘をついているのです」

「あくまで否定をするのだな。姫の持ち物を奪ったという話は、どう説明する?」

「それも姫が率先してくださったもので……そういえば一緒に手紙もいただいたんです。わたしにお礼をしたいと書かれていましたし、サインもありました」

「手紙か……。だがこの場で披露できないのであれば、なんとも言えぬ」

 必死に捻り出した真実の欠片も、あっさりと流されてしまう。
 参考人席にいる使者にも動きはなく、代わりに議決権を持つ貴族たちが、こぞって声を上げた。
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