英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
(なんだかもう、どうでもよくなってきたわ……)

 疲れも手伝ってか、諦めの境地になってくる。周りでは引き続き無責任な言葉が飛び交っているが、もはやなにひとつ頭に入ってこなくなった。

 わたしの人生は、きっとここまでなのだ。
 なんせ棚からぼた餅ともいえる二度目の人生。おまけを楽しめたと思えば、一概に不幸ともいえない。

 となると気になるのは幕引きの仕方だ。願わくば、怖い思いはしたくないのだが……。

「意見も出尽くしたようだ。では、ここで決を――」

 流れが動きかけたそのとき、これまで沈黙を貫いていた王太子が声を上げた。

「お待ちください。私は気になる話を耳にしました。イレーヌ姫とルシウスが恋仲だったという噂です」
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