英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「アーサーよ、その話になんの関係があるというのだ?」
「ルシウスは既婚者でしょう。本来、夫が大切にするべきは妻であるはず。もしも事の発端に夫の不誠実があったとしたら、話が違ってくると思いませんか」
もったいぶった論調に焦らされて、忘れかけていた緊張感が高まってくる。
妙に静まり返った空間に、王太子の悪意が鋭く放たれた。
「ルシウス。貴様はふたりの女を股にかけ、イレーヌ姫を弄んだのではないか? そうして楽しんだあとは姫を捨て、本妻とよりを戻した。そのことにショックを受けた姫は心を病んでしまった――ずばりそういうことであろう!」
「な、なんと破廉恥な……それが本当なら紳士の風上にも置けませんな!」
「北の英雄と公女様が深い仲であるという話、わたくしも聞いたことがありますわ」
「姫は実のところルシウス卿に捨てられたのだけれど、恋心の向く相手を憎めずに、奥様に恨みが向かったというわけ? それなら奥様に罪を背負わせるのは気の毒ね」
「ルシウスは既婚者でしょう。本来、夫が大切にするべきは妻であるはず。もしも事の発端に夫の不誠実があったとしたら、話が違ってくると思いませんか」
もったいぶった論調に焦らされて、忘れかけていた緊張感が高まってくる。
妙に静まり返った空間に、王太子の悪意が鋭く放たれた。
「ルシウス。貴様はふたりの女を股にかけ、イレーヌ姫を弄んだのではないか? そうして楽しんだあとは姫を捨て、本妻とよりを戻した。そのことにショックを受けた姫は心を病んでしまった――ずばりそういうことであろう!」
「な、なんと破廉恥な……それが本当なら紳士の風上にも置けませんな!」
「北の英雄と公女様が深い仲であるという話、わたくしも聞いたことがありますわ」
「姫は実のところルシウス卿に捨てられたのだけれど、恋心の向く相手を憎めずに、奥様に恨みが向かったというわけ? それなら奥様に罪を背負わせるのは気の毒ね」