英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「みゃあ?」

 だいぶ前に夕食が運ばれてきていたが、手をつけていなかったものだ。しっかりとしたフルコースがテーブルの上にセットされているが、料理はすでに冷めてしまっている。

 猫が「にゃおにゃお」と呼ぶので、そちらに近づいた。テーブルの横にある椅子に座れと言っているような気がする。

 指示に従うと、彼は着席したわたしの膝の上に飛び乗ってきた。そうして前足をテーブルの縁にかけて、テーブルの上にある食事を眺めている。

「よかったら一緒に食べようか。えっと、猫ちゃんが食べられそうなものは……」
「うにゃっ」

 これがいいと言わんばかりに、小さな手でお肉を示してきた。人の言葉がわかるみたい。異世界だから、猫も賢いのかもしれない。
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