義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 父は楽観的というか、物事を軽く考えすぎるところがある。
 そんな姿に、余計に不安が募ってしまう。

「でもさ、もし私が元に戻ったとするよね。
 そうなると、私が唯でいるときは優がいなくなるわけでしょ? それも体調不良ってこと?」

 元に戻れるのかどうかは分からない。
 けれど、そうなると信じて尋ねてみた。
 変身については、まだ謎だらけなのだ。

「優は学校が苦手で、家庭教師をつけてるってことにするよ。
 それで学校は気分次第。家で勉強することが多い、ということでね」

「気分次第って……ますます怪しまれそうなんだけど」

 にこやかに笑う父とは対照的に、私は眉をひそめる。
 どうも安易すぎる気がしてならない。

 そんな私をよそに、兄は余裕の笑みを浮かべた。

「まあまあ、そんなに心配すんなって。俺もできるだけ優のそばにいるからさ」

 その優しいまなざしに、私はふっと見惚れてしまう。
 たしかに、そばにいてくれるのは心強い。
 それに……何より嬉しい。
 兄と一緒にいられると思うだけで、胸が弾む。

 ――しょうがない。お父さんとお兄ちゃんを信じるか。

 もうこうなったら、やるしかない。
 そう思うと、少しだけ気が楽になった。

 こういうとこ、やっぱ父ゆずりだな。

「何かあったら頼むよ。学校で頼りにできるのは、お兄ちゃんだけなんだから」

 私は兄の制服の裾をきゅっと握った。

「……」

 兄は、なぜか黙り込んでしまった。


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