義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます
食事が始まって少し経ったころ、母がぽつりとつぶやいた。
「あーあ、私、優ちゃんのことも可愛くて気に入ってたんだけど……。少し残念ねえ」
私は目を丸くして母を見る。
「な、何言ってんの?」
また出たよ、母の天然。
肩の力が抜ける。
ほんとにもう。
どれだけあの変身騒動に振り回されたと思ってるの、わかってる?
「そうだねえ、優くんも可愛かった。
でも、やっぱり唯は唯じゃなきゃ。本当に元に戻ってよかった」
父がにこやかに笑いかけてくれる。
その言葉が胸にすっと染み込んできて、思わず顔がゆるんだ。
――やっぱりお父さんは、優しい。
照れくさくて、でも素直に嬉しかった。
「そういえば、優、結構人気あったんだぜ。
女子たちが騒いでたな。どこぞのアイドルみたいに可愛いって」
兄が思い出したように言うと、私はぽかんと兄を見つめた。
そ、そんなことがあったの? 意外……でもないか。
兄がモテるなら、私もそこそこイケてたのかも?
――意外と似てたりするのかな。
「ほら~、やっぱり。男の子でも唯ちゃんモテてたのよ~。
イケメン兄弟として、名を馳せてたんじゃない?」
母が夢心地で宙を見上げ、うっとりと手を合わせる。
メルヘンチックな母にあきれて、何も言えない。
本当にもう……この人は。