義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 なんとも歯切れの悪い返事だ。
 その顔は、まだ納得しきれていないように見える。

 不安になって流斗さんに視線を送ると、彼はウインクで応えてくれる。
 思わずときめいてしまう。

 わ、私ったら、お兄ちゃんのことが好きなくせに……!
 流斗さんにまでときめくなんて。この浮気者!

 心の内で私が必死に自制心と闘っていたとき。

 流斗さんがそっと私の肩を抱き、自分の方へ引き寄せた。
 ふわっといい香りが鼻をくすぐる。

「まあ、そういうことなので。これからもよろしくお願いしますね、お兄さん」

 流斗さんが兄に笑顔を向けると、兄は複雑そうな表情で私たちを睨みつけた。

「お、お兄ちゃんっ」

 その鋭い眼差しに、また兄が流斗さんに何か失礼なことをしでかすのではないかと、ひやひやする。

「唯! 流斗に何かされたらすぐ言えよ。俺が懲らしめてやるから」

 唐突な宣言とともに、兄は私の頭を容赦なくぐしゃぐしゃに撫で回してきた。

「ちょ、ちょっと! 髪がぐちゃぐちゃになるってばっ」

 慌てて兄の手を振り払おうとするけれど、力ではかなわない。

「こういうことしていいのは、俺だけだからな」

 兄はわざとらしく流斗さんを一瞥しながら、まるで宣戦布告のように言い放った。


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