【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 この期に及んで私の名前を呼ぶ浩太の声が聞こえたような気がしたけれど、真っすぐ駅に向かいタクシーを拾った。




 ――はぁ……惨め過ぎる。

 車窓に反射する、今にも泣きそうな顔を見つめた。
 少し垂れ目がちの大きめの二重の眼に、高すぎない平凡な鼻。真っ直ぐなダークブラウンの髪はいつも胸の辺りで切り揃え、ハーフに纏めている。

 服装は常に、海外企業とのオンライン会議も多いため、華やかかつ上品さを大切にしている。今日はシフォンブラウスと、ラベンダー色のAラインスカートで飾っていた。
 美人とは程遠いかもしれないけれど、割と前向きで堂々とした性格のおかげで、いつも人間関係はとても恵まれたと思う。

 入社以来、ずっと仲良かった一つ上の浩太だって、三年前に「明るくてしっかり者のお前が、ずっと好きだった」という彼からの告白で、交際をスタートすることになった。

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