この恋を運命にするために

二輪目



 今日は信士さんとのデートの日。
 私が計画したのは横浜デートだ。

 みなとみらいを散歩するだけでも楽しいし、美味しいレストランもたくさんある。
 中華街で食べ歩きも楽しいだろう。
 赤レンガ倉庫でショッピングもできるし、会話の種は尽きないと思う。

 今日はとにかくたくさん会話をして私のことを少しでも知ってもらいたいし、信士さんのことも知りたい。
 今日のデートは絶対成功させるんだ……!


「――あれっ」


 待ち合わせ場所には十分程早く着いたのに、既に信士さんが待っていた。


「信士さん!? 早いですね!」


 慌てて駆け寄ると、信士さんは穏やかに微笑む。


「こんにちは。今着いたところですよ」
「そ、そうなんですか?」
「ええ。さあ、行きましょうか」
「は、はいっ」


 改めて見る今日の信士さんは――Tシャツに白いパンツというラフなスタイルだ。
 だけど信士さんが着ていると不思議と安っぽさが感じられない。

 本当に高価なものを身につけているのかもしれないけど、ブランド物に興味のない私にはよくわからなかった。


「その花柄のワンピース、よくお似合いですね」
「えっ」
「その花もランですか?」
「あ、いえ! これはカラーです」
「カラーですか。すみません、花には疎くて」


 私は今日、ネイビーに白いカラーの花柄ワンピースを着ていた。
 何を着ていこうか迷ったけど、やっぱり花柄が自分らしいかなと思ったしネイビーと白なら落ち着いた印象に見える。

 あまり張り切りすぎてると思われるのも恥ずかしかったけど、褒めてもらえてよかった!


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