皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
その時だった。

「殿下のお心は理解しました。」

ルーファス公爵閣下の重々しい声が廊下に響く。

次の瞬間、真っ直ぐに私へと視線が注がれた。

「――エリナ。君は皇太子妃になる覚悟はあるのか。」

ドキンと心臓が大きく鳴る。

私が、セドのお妃に……?

けれど迷いはなかった。私はずっと、この人の傍にいると決めていたのだから。

「……覚悟はあります。」

声は震えていたが、想いは揺るがない。

「エリナ。」

セドが私を見て、ふっと微笑んだ。その笑顔に胸が熱くなる。

「好きな人の妃になることを、私も諦めません。」

力強い言葉が私の心を支える。そうだ。

――だから私は彼に抱かれたのだ。

彼のものになると決めた夜から、もう逃げ道などなかった。

二人の想いが初めて真っ向から肯定された瞬間、胸の奥で熱い涙がこみあげてきた。
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