皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
「エリナの覚悟も、本物だね。」

ルーファス公爵閣下の言葉に、私は深く頷いた。

「はい。」

そして振り返り、アルキメデスを真っ直ぐに見つめる。

「アルキメデス。心配してくれてありがとう。でも……私には、皇太子殿下しかいないの。」

彼の瞳がわずかに揺れる。

切ない表情を浮かべ、私を見つめ返した。

「……エリナ。」

その声には抗いがたい温もりがあったけれど、私はもう迷わない。

「私、きっとこの手で――皇太子妃の座を勝ち取ってみせるわ。」

宣言のように放った言葉は、震えていたけれど確かな決意に満ちていた。

それが、セドの気持ちに応える唯一の方法だから。

彼の愛に報いるために、私はどんな壁も越えてみせる。

アルキメデスの沈黙と、セドの温かな微笑みが交錯する中、私の心は初めて強く未来を見据えていた。
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