皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
「ただ側に置くのではない。」

セドはきっぱりと言い切った。その声音には一片の迷いもない。

「俺は――エリナを守り抜く。」

強く抱き寄せられ、胸に頬が押しつけられる。彼の心臓の鼓動が力強く響き、全身を震わせた。

「アルキメデス。おまえが言う通り、掟も身分も壁になるだろう。だがそれが何だ。」

セドは鋭い視線を向ける。

「俺はこの手で、エリナを不幸にさせない。誰が何と言おうと、守り抜くと決めた。」

「殿下……」

その言葉は、夢物語ではなく決意の刃のように響き、私の胸を突き抜けた。

アルキメデスは唇を噛み、しばし沈黙する。

「……ならば、王太子としての責務を果たしながら、その覚悟を示していただきたい。」

静かな挑戦の言葉。

私はただセドの胸の中で震えながら、その二人のやり取りを聞いていた。
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