皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
「だったら……私を癒してください。」

顔を真っ赤にしながら、勇気を振り絞ってそう告げると、セドの瞳が熱を帯びた。

「いいよ。」

彼は微笑み、指先で私の頬をなぞる。

「いつもは俺がエリナに癒されているのにね。」

そっと首筋に触れると、服の襟元がゆるめられ、空気がひんやりと肌に触れた。

「変わらない……綺麗な肌だ。」

低く囁かれ、全身が震える。

「ああ……セド……」

図書室の静けさの中、私たちは互いに求め合い、抱きしめ合った。

本棚に囲まれた空間に、微かな吐息と衣擦れの音がこだまする。

「エリナ……」

熱い視線に捕らえられ、身を委ねるしかなかった。

「ああん……セド……」

名前を呼ぶたび、彼は嬉しそうに口づけを重ねる。

「もっと……俺の名前を呼んで……」

繋がった体から溢れ出す愛おしさが、胸の奥を焦がしていった。
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