皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
舞曲が進むにつれ、会場のざわめきは次第に静まり、代わりに無数の視線が私たちに注がれていた。

シャンデリアの光を浴びて舞うドレス、セドの腕に導かれて刻む優雅なステップ

――そのひとつひとつに、釘付けになるような熱が集まっていく。

「……美しいわね。」

「まるで物語の姫君みたい。」

「愛されているからかしら。」

耳に届く小さな囁きに、胸がじんわりと熱くなる。

愛されているから――そう見えているのだろうか。

私はそっとセドを見上げた。

彼の瞳には、誰よりも深い愛情が宿っていて、その視線に包まれているだけで心が強くなる。

「殿下……」

かすかに呼ぶと、セドは満足そうに微笑み、さらに私を引き寄せる。

――その瞬間、もう迷いはなかった。

私の居場所は、この人の隣なのだと。
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