皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
夜空には無数の星々が瞬き、庭園を淡く照らしていた。

吐く息さえ白く見える静寂の中、私はセドと二人きりで立ち尽くしていた。

「……綺麗ですね。」

星を見上げながら呟くと、セドは首を横に振った。

「いや……星よりも、君の方がずっと美しい。」

心臓が跳ねる。

視線を合わせると、セドの瞳には夜空よりも深い光が宿っていた。

「エリナ。」

低く優しい声が私を包む。

「もう他の誰でもない。俺が見ているのは君だけだ。」

私は言葉を失い、ただ彼を見返した。

互いの瞳が絡み合い、時間さえ止まったように感じる。

夜空の下――二人きりで、ただ見つめ合う。

その距離は、もはや誰にも引き裂けないほど近く、強く、確かなものになっていた。
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