皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
翌日、玉座の間。

国王の前に立ったセドは、堂々とした声音で告げた。

「父上。隣国の姫との婚約は破棄いたします。」

「――またおまえは!」

国王の杖が床を打ち鳴らす音が響く。

「今度は何が気に食わないのだ!」

だが、セドの瞳には一点の迷いもなかった。

「俺は、自分で妻を見つけました。」

ざわめきが広がる。大臣たちが顔を見合わせる中、扉が開いた。

足音高く現れたのは――煌びやかなドレスに身を包んだ私だった。

「グランディール公爵令嬢の、エリナ・グランディールでございます。」

深々と裾を持ち上げ、一礼する。

広間に驚きの声が走った。

「まさか、あの侍女だった娘が……!」

「いや、今は公爵令嬢だというのか……!」

セドは誇らしげに私の隣へ歩み寄り、手を取った。

「父上。俺の妃にふさわしい女性は、彼女しかおりません。」

国王は険しい表情を崩さぬまま、じっと私を見据えていた――。
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