皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
「皆の者。」

セドの声が高らかに響いた。

ざわめきが一瞬で静まり返る。

「紹介しよう。」

セドは私の手を掲げ、堂々と宣言した。

「この方は、ルーファス公爵家の令嬢、エリナだ。そして――私が生涯を共にすると誓った、未来の妃である。」

会場が大きなどよめきに包まれた。

「皇太子妃……!」

「やはり、そういうことか……!」

「殿下がこれほど誇らしげな顔をされるとは……」

私を見つめる人々の目が、次第に好奇から敬意へと変わっていくのを感じる。

セドは微笑み、私の耳元で小さく囁いた。

「胸を張れ、エリナ。おまえはもう、俺の誇りだ。」

その言葉に、震えていた心が静かに力を取り戻していった。
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