皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
――侍女から、公爵令嬢へ。

そして今、私は正式に皇太子妃となる道を得たのだ。

胸の奥から、熱い感謝と決意が込み上げてくる。

必ず、この人の隣にふさわしい妃になる。

星々の夜に誓った想いが、ついに叶えられた瞬間だった。

そして、この日。

王宮の大聖堂には、荘厳な鐘の音が鳴り響いていた。

白い大理石の床に、陽光がステンドグラスを通して色鮮やかな模様を描き出す。

私は純白のドレスに身を包み、緊張で震える手を胸に当てた。

扉が開かれると、無数の視線と祝福の拍手が降り注ぐ。

長いバージンロードの先――セドが待っていた。

黄金の装束に身を包み、まっすぐに私を見つめる瞳。

その眼差しに触れただけで、不思議と足取りは軽くなった。

「……綺麗だ。」

小さく囁いたセドの声に、胸が熱くなる。

祭壇の前で並び立ち、神官の声が響き渡る。
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