皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
セドはカップを傾け、一口含んでからふっと笑った。

「……うん、優しい味だ。エリナらしい。」

「えっ、ど、どういう意味ですか?」

思わず問い返すと、セドはわざとらしく首をかしげる。

「文字どおりだよ。素直で、温かくて……俺を眠くさせるくらい安心できる。」

「それは……紅茶の効果だと思います。」

慌てて否定すると、セドはわざと真剣な顔を作り、私を見つめた。

「じゃあ、エリナ自身の効果は? おまえがそばにいると、俺は心地よくて仕方ないんだが。」

「っ……殿下、からかわないでください!」

真っ赤になって目を逸らすと、彼は愉快そうに笑みを浮かべた。

「本気なんだけどな。」

その軽いようでいて重みのある言葉に、胸の鼓動が止まらなくなった。
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