「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
「はぐれるなよ」

「……はい」

 晃太郎が下を見たので、下を見ると、彼は珠子に向かい、手を差し出していた。

 その大きな手のひらの上に、珠子は、そっとおのれの手をのせる。

「行こう、遅れるぞ」
「……はいっ」

 二人は列車に向かって急ぎ、歩き出した。

 


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