「明治大正ロマンス ~知らない間に旦那様が変わっていました~」
列車を待つ二人は、こそこそと相談する。
「二人で夜行列車に乗っていると、いろいろ訊かれるかもしれないから。
その、結婚していることにしよう」
「わかりました」
晃太郎さんと夫婦か、緊張するな、と珠子は思う。
「新婚旅行として、大阪の博覧会に行くということで」
そう言う晃太郎に珠子は笑う。
「なんだ?」
「いえ、新婚旅行なら、夕方折り返し帰るんじゃおかしかったですね」
どんな落ち着きのない新婚旅行だと言われそうだ。
「どんな感じなんでしょうね、大阪での博覧会。
国内では、今までで一番大規模なものだと聞きましたが。
昔、ロンドンであった万国博覧会のクリスタルパレスの話を聞いたことがあるんですけど。
あんな感じにキラキラした建物とかあるんでしょうか?」