囚われの聖女は俺様騎士団長に寵愛される
裏切り
「ん……」
温かく気持ちの良い感触を覚え、目を開ける。
私はどうしちゃったんだろう。
「えっ?」
目を開けると、カートレット様が目の前で寝ていた。綺麗な顔。
このような顔立ちで力もある方だから、女性にはきっとモテるわよね。
そう言えば、お相手はもういらっしゃるのかしら。
ああ、そんな呑気なこと考えちゃいけない。
横になりながら辺りを見渡すと、ベッドの上にいるみたいだった。
そうだ、倒れたところまでは覚えている。
「……。アイリス。起きたか?」
「カートレット様。私は……」
「あの後、急に倒れたんだ。医者にも診てもらったが、きっと疲労と栄養不足からの貧血だろう。メイドに頼んでも良かったんだが、まだきちんと今後について話せていなかったから。《《俺の》》ベッドに寝かせた」
また迷惑かけちゃった。って「俺のベッド!?」声に出してしまった。
「嫌だったか?」
「いいえ。そんな。嫌だなんて。あの、男性のベッドで寝たことがないので。と言いますか、カートレット様のお相手に申し訳ないです」
ハハっと彼は笑い
「俺は女性には興味がなくて。早く結婚しろだの相手を見つけろだの、立場上、見合い話はあるが。そういえば、アイリスがはじめてだな。俺のベッドで寝た女性は」
軽く言っているけれど、私は平民で昨日まで監獄の中にいた人間だ。
「申し訳ございません。今すぐ離れます。私なんかが近くいるとカートレット様が汚れてしまいます」
慌てて、ベッドから降りようとすると、引き止められた。
「汚れているなんて思っていない。そもそも聖女は、汚れていたらなれない。治癒力も与えられないと思う」
「ですがっ」
「アイリスといると、心が和むんだ。これも聖女の力なのか?」
そんなこと言われたことがないけれど。
男性になんて言い寄られたこともないし、もちろん経験もない。
顔が熱くなる。
「アイリス。明日からしばらく俺の屋敷で静養しろ。力のことは今後どうするか、一緒に考える。少し時間をくれないか」
カートレット様のお家で静養をする……?
「まずは食事をしっかりと食べて休むことに専念しろ」
「ですが……」
ここにいたら、たくさんの人に迷惑がかかるんじゃ。
またオスカーのような人が現れて、私だけではなく、関係のない人たちを傷つけるようなことが起きてしまうんじゃないのかと怖い。
「大丈夫だ。屋敷内には騎士団の訓練場もあるんだ。俺は任務に出かけることもあるが、すぐに騎士たちが駆けつけることができる。まずは体と心が休まるまで、ゆっくりすれば良い」
カーレット様は私を利用するとか、そんなことは考えてはいない。
それは目を見ていればわかる。
「私はカートレット様に何をお返しすれば良いのでしょう。このような御恩をどう返していけば?」
彼は私の言葉を聞き、ククっと笑った。
「そんな返事が帰ってくるとは思わなかった。そうだな、それも考えておく」
髪の毛に触れられた。
こんなに近くにいるのに、どこか遠いような存在。
この方は、皇室直属の騎士団長。
冷酷非道、そんな噂だらけだったけれど、そんな風には見えない。
温かく気持ちの良い感触を覚え、目を開ける。
私はどうしちゃったんだろう。
「えっ?」
目を開けると、カートレット様が目の前で寝ていた。綺麗な顔。
このような顔立ちで力もある方だから、女性にはきっとモテるわよね。
そう言えば、お相手はもういらっしゃるのかしら。
ああ、そんな呑気なこと考えちゃいけない。
横になりながら辺りを見渡すと、ベッドの上にいるみたいだった。
そうだ、倒れたところまでは覚えている。
「……。アイリス。起きたか?」
「カートレット様。私は……」
「あの後、急に倒れたんだ。医者にも診てもらったが、きっと疲労と栄養不足からの貧血だろう。メイドに頼んでも良かったんだが、まだきちんと今後について話せていなかったから。《《俺の》》ベッドに寝かせた」
また迷惑かけちゃった。って「俺のベッド!?」声に出してしまった。
「嫌だったか?」
「いいえ。そんな。嫌だなんて。あの、男性のベッドで寝たことがないので。と言いますか、カートレット様のお相手に申し訳ないです」
ハハっと彼は笑い
「俺は女性には興味がなくて。早く結婚しろだの相手を見つけろだの、立場上、見合い話はあるが。そういえば、アイリスがはじめてだな。俺のベッドで寝た女性は」
軽く言っているけれど、私は平民で昨日まで監獄の中にいた人間だ。
「申し訳ございません。今すぐ離れます。私なんかが近くいるとカートレット様が汚れてしまいます」
慌てて、ベッドから降りようとすると、引き止められた。
「汚れているなんて思っていない。そもそも聖女は、汚れていたらなれない。治癒力も与えられないと思う」
「ですがっ」
「アイリスといると、心が和むんだ。これも聖女の力なのか?」
そんなこと言われたことがないけれど。
男性になんて言い寄られたこともないし、もちろん経験もない。
顔が熱くなる。
「アイリス。明日からしばらく俺の屋敷で静養しろ。力のことは今後どうするか、一緒に考える。少し時間をくれないか」
カートレット様のお家で静養をする……?
「まずは食事をしっかりと食べて休むことに専念しろ」
「ですが……」
ここにいたら、たくさんの人に迷惑がかかるんじゃ。
またオスカーのような人が現れて、私だけではなく、関係のない人たちを傷つけるようなことが起きてしまうんじゃないのかと怖い。
「大丈夫だ。屋敷内には騎士団の訓練場もあるんだ。俺は任務に出かけることもあるが、すぐに騎士たちが駆けつけることができる。まずは体と心が休まるまで、ゆっくりすれば良い」
カーレット様は私を利用するとか、そんなことは考えてはいない。
それは目を見ていればわかる。
「私はカートレット様に何をお返しすれば良いのでしょう。このような御恩をどう返していけば?」
彼は私の言葉を聞き、ククっと笑った。
「そんな返事が帰ってくるとは思わなかった。そうだな、それも考えておく」
髪の毛に触れられた。
こんなに近くにいるのに、どこか遠いような存在。
この方は、皇室直属の騎士団長。
冷酷非道、そんな噂だらけだったけれど、そんな風には見えない。