囚われの聖女は俺様騎士団長に寵愛される
「良かった。治りました」
私が彼にそう伝えると
「ありがとう」
とても柔らかな表情だった。
「さっきはキツく当たってしまって悪かった。もうキミを傷つけたくはないのに、助けられなかった自分に苛立った」
「いいえ。私こそ。本当のことを伝えるのが怖くて。カートレット様に迷惑をかけてばかりいる自分も嫌で。申し訳ございません」
ペコっと頭を下げた。
「あ、カーレット様。こんなところにも傷が……」
彼の頬に数センチほどの切り傷があった。
先ほどと動揺、岩で切ってしまったんだろう。
私が彼の頬に手を添え、力を使おうとすると
「すまない。もう我慢ができない」
「えっ?」
彼は私の顎を持ち、チュッと唇を合わせた。
温かい、この感触。さっきも……。
唇が離れ
「カートレット様、もしかして先ほども私に空気を送るために?」
「ああ。後先考えていられなかったからな。唇を重ね、空気を送った」
あれは私を助けるためだったかもしれないけれど、今のキスがはじめてじゃないんだ。
「私からも……。したいです。カートレット様が許してくださるのであれば」
彼はクスっと笑い
「良いに決まっている」
そう言ってくれた。
私は彼の頬に手を添え、治癒力で傷を癒したあと、そのまま彼の唇に自分の唇を合わせた。
好きな人とのキスは、こんなにも幸せな気持ちになるのね。
フフっと笑ってしまうと
「アイリス。キミは俺が守る。信じてくれ」
そう言われ、誓いのキスともとれるほど、熱くて深いキスをされた。
しばらくは二人で抱き合っていた。
彼の腕の中は安心するし、離れたくないと思ってしまう。
キスももっとしたかったけれど
「この格好でキスを続けたら、それ以上のことをしたくなる」
そう言われ、止められた。
その時のカートレット様はまるでテレている子どものように恥かしそうにしていた。
二人で帰宅をし、メイド長をはじめ皆から心配をされた。
「どこに行ってらしたんですか?アイリスも急に姿が見えなくなるし、ご主人様も急にいなくなったとカイル様が随分探していらっしゃいましたよ」
メイド長は私に何が起こったのか、知らない様子だった。
「悪かった。エリスは帰っているか?呼び出してくれ」
エリス、どんな顔をして会ったら良いか。
しばらくすると俯いたエリスが広間に顔を出した。
ここには今、屋敷の使用人のほとんどと、カートレット様が帰ってきたという知らせを聞いた騎士たちが集まっている。
「エリス。何か言うことはないか?」
彼女は
「カートレット様。どうか、私を信じてください。アイリスが話したことは全て嘘なんです。私は彼女に殺されそうになりました」
エリスの言葉を聞いた使用人たちがザワザワと小声で話し出した。
嘘よ。私を殺そうとしたのはエリスだわ。
「カートレット様の命令であると言われ、私は彼女の後をついて行きました。かなりの山奥です。着いた先には崖があり、落ちたら絶命をするほどの高さでした。彼女は教育係の私に鬱憤が溜まっていたようで、私を崖から突き落とそうとしました。けれど、私はなんとか避け、逆に彼女が足を滑らし、崖の下へと落ちてしまったのです。お願いです、カートレット様。本当は私が殺されそうになったんです。信じてください!」
彼女は大声を出し泣き始め、床にうずくまった。
私が彼にそう伝えると
「ありがとう」
とても柔らかな表情だった。
「さっきはキツく当たってしまって悪かった。もうキミを傷つけたくはないのに、助けられなかった自分に苛立った」
「いいえ。私こそ。本当のことを伝えるのが怖くて。カートレット様に迷惑をかけてばかりいる自分も嫌で。申し訳ございません」
ペコっと頭を下げた。
「あ、カーレット様。こんなところにも傷が……」
彼の頬に数センチほどの切り傷があった。
先ほどと動揺、岩で切ってしまったんだろう。
私が彼の頬に手を添え、力を使おうとすると
「すまない。もう我慢ができない」
「えっ?」
彼は私の顎を持ち、チュッと唇を合わせた。
温かい、この感触。さっきも……。
唇が離れ
「カートレット様、もしかして先ほども私に空気を送るために?」
「ああ。後先考えていられなかったからな。唇を重ね、空気を送った」
あれは私を助けるためだったかもしれないけれど、今のキスがはじめてじゃないんだ。
「私からも……。したいです。カートレット様が許してくださるのであれば」
彼はクスっと笑い
「良いに決まっている」
そう言ってくれた。
私は彼の頬に手を添え、治癒力で傷を癒したあと、そのまま彼の唇に自分の唇を合わせた。
好きな人とのキスは、こんなにも幸せな気持ちになるのね。
フフっと笑ってしまうと
「アイリス。キミは俺が守る。信じてくれ」
そう言われ、誓いのキスともとれるほど、熱くて深いキスをされた。
しばらくは二人で抱き合っていた。
彼の腕の中は安心するし、離れたくないと思ってしまう。
キスももっとしたかったけれど
「この格好でキスを続けたら、それ以上のことをしたくなる」
そう言われ、止められた。
その時のカートレット様はまるでテレている子どものように恥かしそうにしていた。
二人で帰宅をし、メイド長をはじめ皆から心配をされた。
「どこに行ってらしたんですか?アイリスも急に姿が見えなくなるし、ご主人様も急にいなくなったとカイル様が随分探していらっしゃいましたよ」
メイド長は私に何が起こったのか、知らない様子だった。
「悪かった。エリスは帰っているか?呼び出してくれ」
エリス、どんな顔をして会ったら良いか。
しばらくすると俯いたエリスが広間に顔を出した。
ここには今、屋敷の使用人のほとんどと、カートレット様が帰ってきたという知らせを聞いた騎士たちが集まっている。
「エリス。何か言うことはないか?」
彼女は
「カートレット様。どうか、私を信じてください。アイリスが話したことは全て嘘なんです。私は彼女に殺されそうになりました」
エリスの言葉を聞いた使用人たちがザワザワと小声で話し出した。
嘘よ。私を殺そうとしたのはエリスだわ。
「カートレット様の命令であると言われ、私は彼女の後をついて行きました。かなりの山奥です。着いた先には崖があり、落ちたら絶命をするほどの高さでした。彼女は教育係の私に鬱憤が溜まっていたようで、私を崖から突き落とそうとしました。けれど、私はなんとか避け、逆に彼女が足を滑らし、崖の下へと落ちてしまったのです。お願いです、カートレット様。本当は私が殺されそうになったんです。信じてください!」
彼女は大声を出し泣き始め、床にうずくまった。