囚われの聖女は俺様騎士団長に寵愛される
想っているから
カートレット様と心が通じ合ったと思ったのに、離れてしまったの?
でも彼の行為は、私には理解できない。
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
「カイルです。夜分遅くにレディの部屋に申し訳ないのですが、一言伝えたいことがあって。入れていただけませんか?」
副団長のカイル様だった。
「どうぞ」
「失礼します」
ポスっとソファに座り、彼は神妙な面持ちで話し出した。
「こんなことを伝えていることがバレたら、かなり怒られるんでしょうけれど、今日の団長の行いを許してあげてください」
カイル様は私に頭を下げた。
「団長の両親は、部下に裏切られて殺されているんです」
「えっ!」
ご両親が亡くなられていることはなんとなく察してはいたけれど、殺されていただなんて。
「団長の両親、父親は彼ほどではありませんでしたが、有名な騎士でかなりの実力でした。当時の皇帝にも認められていました。それを良く思わなかった部下が罠を仕掛け、魔導師と手を組み、彼の両親を殺しました。自分の地位をあげるためです」
そんな過去があったの?
「彼は自分の運命を恨むこともなく、若くしてカートレット家を継ぎ、強くなるために努力を続けました。騎士は普通、魔力には長けませんが、両親のこともあった為、剣術も魔法を使えるように毎日鍛錬を続けました。俺は幼少期から関りがあるから、それを知っていて。彼は、私利私欲の為に人を傷つける奴を許しません。世間では冷酷非道とか言われていますが、本当は優しい方なんです。もしもアイリス様でなくても、大切な人を殺されそうになったなんて知ったら、彼は自ら動くと思います。大切な家族を失くしているからこそ、同じ思いをさせたくないんだと、多くの方を救うために団長となり戦っているんです」
彼の言葉は続いた。
「アイリス様はお優しいから、今回の仕打ちを酷いことだと感じていらっしゃるかもしれませんが、例えば、自分の大切な人が殺されそうになったら、傷ついたら……。同じようなことが言えますか?」
もしもお母様が生きていて、殺されそうになったら……。
私はその人をきっと許せない。
甘い考えだったんだとつくづく実感させられた。
「殺人を起こそうとした者は罪人です。それを裁かず、監獄に送らなかっただけでも団長なりの配慮なんです」
彼は私の部屋から去る時に
「いや、でも本当にやりすぎだと思う時もあります。訓練なんかは厳しすぎて。皆ついていけませんからね」
私を和ませてくれるかのように笑い話に変えてくれた。
私のことを大切に思ってくれていたのに、なんてことを言ってしまったんだろう。
謝りたい気持ちでいっぱいだった。
今すぐ会いたい。
私は自然と彼の部屋へ走っていた。
でも彼の行為は、私には理解できない。
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
「カイルです。夜分遅くにレディの部屋に申し訳ないのですが、一言伝えたいことがあって。入れていただけませんか?」
副団長のカイル様だった。
「どうぞ」
「失礼します」
ポスっとソファに座り、彼は神妙な面持ちで話し出した。
「こんなことを伝えていることがバレたら、かなり怒られるんでしょうけれど、今日の団長の行いを許してあげてください」
カイル様は私に頭を下げた。
「団長の両親は、部下に裏切られて殺されているんです」
「えっ!」
ご両親が亡くなられていることはなんとなく察してはいたけれど、殺されていただなんて。
「団長の両親、父親は彼ほどではありませんでしたが、有名な騎士でかなりの実力でした。当時の皇帝にも認められていました。それを良く思わなかった部下が罠を仕掛け、魔導師と手を組み、彼の両親を殺しました。自分の地位をあげるためです」
そんな過去があったの?
「彼は自分の運命を恨むこともなく、若くしてカートレット家を継ぎ、強くなるために努力を続けました。騎士は普通、魔力には長けませんが、両親のこともあった為、剣術も魔法を使えるように毎日鍛錬を続けました。俺は幼少期から関りがあるから、それを知っていて。彼は、私利私欲の為に人を傷つける奴を許しません。世間では冷酷非道とか言われていますが、本当は優しい方なんです。もしもアイリス様でなくても、大切な人を殺されそうになったなんて知ったら、彼は自ら動くと思います。大切な家族を失くしているからこそ、同じ思いをさせたくないんだと、多くの方を救うために団長となり戦っているんです」
彼の言葉は続いた。
「アイリス様はお優しいから、今回の仕打ちを酷いことだと感じていらっしゃるかもしれませんが、例えば、自分の大切な人が殺されそうになったら、傷ついたら……。同じようなことが言えますか?」
もしもお母様が生きていて、殺されそうになったら……。
私はその人をきっと許せない。
甘い考えだったんだとつくづく実感させられた。
「殺人を起こそうとした者は罪人です。それを裁かず、監獄に送らなかっただけでも団長なりの配慮なんです」
彼は私の部屋から去る時に
「いや、でも本当にやりすぎだと思う時もあります。訓練なんかは厳しすぎて。皆ついていけませんからね」
私を和ませてくれるかのように笑い話に変えてくれた。
私のことを大切に思ってくれていたのに、なんてことを言ってしまったんだろう。
謝りたい気持ちでいっぱいだった。
今すぐ会いたい。
私は自然と彼の部屋へ走っていた。