クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
(本当は島崎店長も参加したかったのかもしれない。気持ちは嬉しいけれど)
なんて声をかけようか考えていると、彼女は俯いてしまう。だがすぐに、ぱっと顔を上げた。彼女の顔には、爽やかな笑みが浮かんでいる。
「はい、任せてください。こちらバッチリ伝えますし、当日も素敵な売場ができるよう祈ってます」
彼女は言いながら、説明のために手渡した資料を掲げて見せた。
(あれ、思い違いかな?)
先ほどの表情との違いに、少々違和感を覚える。だが、彼女の服がバイオレッドのポロシャツなのを見て、あることに思い至った。
「それも、推しの色?」
訊ねると、島崎店長は苦笑いを浮かべて言った。
「あからさますぎますかね?」
「ううん、とても似合ってる。島崎店長らしくていいなと思ったの」
彼女はきっと、俯いた先にあったその色を見て〝推し〟にパワーをもらったのだろう。彼女らしい回復の仕方だ。
「なら、よかったです」
彼女はにこりと微笑み、自分の店舗へと戻って行った。
(あと一か月。具体的なシミュレートと各所への確認をして、モデル店舗として失敗しないように秋冬のオープンを迎えるのよ!)
気合は十分だ。私はこの案件が夢への一歩だと自分に言い聞かせ、仕事をまっとうしようと心に誓った。
なんて声をかけようか考えていると、彼女は俯いてしまう。だがすぐに、ぱっと顔を上げた。彼女の顔には、爽やかな笑みが浮かんでいる。
「はい、任せてください。こちらバッチリ伝えますし、当日も素敵な売場ができるよう祈ってます」
彼女は言いながら、説明のために手渡した資料を掲げて見せた。
(あれ、思い違いかな?)
先ほどの表情との違いに、少々違和感を覚える。だが、彼女の服がバイオレッドのポロシャツなのを見て、あることに思い至った。
「それも、推しの色?」
訊ねると、島崎店長は苦笑いを浮かべて言った。
「あからさますぎますかね?」
「ううん、とても似合ってる。島崎店長らしくていいなと思ったの」
彼女はきっと、俯いた先にあったその色を見て〝推し〟にパワーをもらったのだろう。彼女らしい回復の仕方だ。
「なら、よかったです」
彼女はにこりと微笑み、自分の店舗へと戻って行った。
(あと一か月。具体的なシミュレートと各所への確認をして、モデル店舗として失敗しないように秋冬のオープンを迎えるのよ!)
気合は十分だ。私はこの案件が夢への一歩だと自分に言い聞かせ、仕事をまっとうしようと心に誓った。