初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして
「今日の取材って、理世だったの？　夢、叶えたんだな」
滉星の声は静かで、でもどこか誇らしげだった。

理世は少し恥ずかしそうに、でも自然にこくりと頷いた。

「うん……覚えていてくれたんだ」

高校生の頃、ふたりで語り合った夢。
「大人になったら、こんな風に自分の力でやりたい」と話していたあの日々を、滉星はちゃんと覚えていてくれた。

滉星もまた、自分の夢を叶えていた。
建築家として独立し、このカフェ兼事務所を運営している。
「滉星も夢を叶えたんだね」
理世は自然に、微笑みながら言った。

滉星も、少し照れくさそうにこくりと頷く。
「ああ……理世も、こうして自分の道を歩いてるって知ると、嬉しいな」

二人の間に、一瞬の沈黙が訪れる。

言葉は少ないけれど、その沈黙の中に、互いへの尊敬と安心感、そしてほんの少しのときめきが漂う。

理世は胸の奥でそっと呟いた。

（高校生の私たちも、こうやって応援していたんだ……）

滉星はカウンター越しにフォークを軽く手に取りながら、柔らかく笑う。
「今日は……少し、昔話でもしてみる？」

その一言に、理世は自然に笑顔を返した。
「うん、ぜひ」

二人の距離は、また、ゆっくりと近づいた。
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