初恋相手に再会したら、恋の続きになりまして
「ええい!私がボタン押すっ!」
むちゃくちゃなことを言いながら、杏里は身を乗り出して理世のスマホに手を伸ばす。

「ちょ、ちょっと!」
慌てて理世はスマホを引き寄せた。

その瞬間――画面がふっと光る。
通知音が静かなカフェに小さく響いた。

心臓が止まりそうになる。
画面に浮かんだ名前は、忘れるはずのない文字。

――神田滉星。

「……っ!」
理世は息を呑んだ。

杏里は目を丸くして、すぐに声をひそめる。
「ちょ、ちょっと待って……今?! タイミング良すぎじゃない!?」

震える指先で画面を開くと、そこには短い一文があった。

『今日は久しぶりに会えてよかった。もしよかったら、今度ゆっくり話せないか?』
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