桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「必ず……犯人は突き止めます!」
紅蓮様の声は張り詰めていた。
「その言葉、忘れるな!」
煌は怒気を隠さぬまま広間を後にし、その背を誰も止められなかった。
私はただ、立ち尽くすしかなかった。
「小桃。」
紅蓮様が静かに歩み寄り、私の前に立った。
「あなたを危険にさらしたこと……許してちょうだい。」
意外な言葉に、胸が揺れる。
皇后という立場であれば、頭を下げる必要などないはずなのに――。
「あなた様が心を痛めることではありません。」
私は首を横に振った。
「ですが……」
紅蓮様の瞳には、一瞬だけ迷いが宿った。
それは王族の威厳をまとう皇后ではなく、一人の女性としての素顔のように見えた。
(この方もまた……煌を想っているのだろうか。)
胸に広がる痛みを、私は押し隠すしかなかった。
紅蓮様の声は張り詰めていた。
「その言葉、忘れるな!」
煌は怒気を隠さぬまま広間を後にし、その背を誰も止められなかった。
私はただ、立ち尽くすしかなかった。
「小桃。」
紅蓮様が静かに歩み寄り、私の前に立った。
「あなたを危険にさらしたこと……許してちょうだい。」
意外な言葉に、胸が揺れる。
皇后という立場であれば、頭を下げる必要などないはずなのに――。
「あなた様が心を痛めることではありません。」
私は首を横に振った。
「ですが……」
紅蓮様の瞳には、一瞬だけ迷いが宿った。
それは王族の威厳をまとう皇后ではなく、一人の女性としての素顔のように見えた。
(この方もまた……煌を想っているのだろうか。)
胸に広がる痛みを、私は押し隠すしかなかった。