桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「分かった。」

煌の声が、広間に静かに響いた。

「安妃は――処分を保留にしよう。」

その言葉に、安妃は安堵の吐息をもらした。

「皇太子様……!」

だが次の瞬間、煌の瞳が氷のように冷たく光る。

「だが――おまえを所望することは、今後一切ない。」

「な……なぜですか!」

安妃の声が震える。

「毒を盛った本人が、首謀者はおまえだと吐いた。そんなおまえを、俺が信じられるか!」

言葉は鋭い刃となって、広間に響き渡った。

「命があるだけでも、有難いと思え。」

安妃の顔色は蒼白に変わり、震える唇を噛み締めるしかなかった。

広間の空気は、怒りと屈辱とで張り詰めていた。

私は煌の袖をそっと握った。

その温もりだけが、この恐ろしい場の中で唯一の救いに思えた。
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