桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「柳妃様。」
部屋の戸が静かに開かれると、すらりとした影が現れた。
「鄭花林と申します。お見知りおきを。」
息をのむほどの美貌。
金軍の将・鄭家の娘として知られる彼女は、他の妃たちとは違う気品と落ち着きをまとっていた。
「ご懐妊と伺い、お祝いの品をお持ちしました。」
差し出されたのは、精緻な細工の施された玉の簪。
他の妃が顔も見せぬ中での訪問に、私は驚きを隠せなかった。
「ありがとうございます。有難く頂戴いたします。」
頭を下げると、鄭妃は微笑みを浮かべ、静かに告げる。
「どうか……次の夜伽は、私をご推薦くださいませ。」
その一言に、胸が凍りついた。
私の懐妊を祝福するためではなく、次の席を狙っている――。
けれど彼女の眼差しには、敵意よりも「計算」が光っていた。
(……この人は、私を利用しようとしているの? それとも……味方なの?)
答えを見いだせず、私は言葉を失った。
部屋の戸が静かに開かれると、すらりとした影が現れた。
「鄭花林と申します。お見知りおきを。」
息をのむほどの美貌。
金軍の将・鄭家の娘として知られる彼女は、他の妃たちとは違う気品と落ち着きをまとっていた。
「ご懐妊と伺い、お祝いの品をお持ちしました。」
差し出されたのは、精緻な細工の施された玉の簪。
他の妃が顔も見せぬ中での訪問に、私は驚きを隠せなかった。
「ありがとうございます。有難く頂戴いたします。」
頭を下げると、鄭妃は微笑みを浮かべ、静かに告げる。
「どうか……次の夜伽は、私をご推薦くださいませ。」
その一言に、胸が凍りついた。
私の懐妊を祝福するためではなく、次の席を狙っている――。
けれど彼女の眼差しには、敵意よりも「計算」が光っていた。
(……この人は、私を利用しようとしているの? それとも……味方なの?)
答えを見いだせず、私は言葉を失った。