桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「小桃も、鄭妃が夜伽の番なら心穏やかに子を産めるでしょう。」

皇后の声音は穏やかだった。

「他の妃なら嫉妬深く、何をしてくるか分かりませんからね。」

要するに――大人しい鄭妃なら私を脅かさない、ということなのだろう。

「……ええ。」

私は曖昧にうなずいた。

その瞬間、煌が強く私を抱き寄せた。

「小桃!」

彼の声は切実で、胸に響く。

「子の成長なら……昼間でも共に喜べます。夜は他の妃に任せましょう。」

煌の横顔には、怒りと葛藤が入り混じっていた。

「どうして……おまえを遠ざけねばならないんだ。」

そう言いながら、彼はうつむいて唇を噛み締めた。

私はその腕の中で、ただ彼の胸に顔を押し当てるしかなかった。
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