桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
午後になると、煌は必ず私の散歩に付き合ってくれた。

大きなお腹を抱えながら歩く私に、彼はさりげなく手を添え、支えてくれる。

「さあ、小桃。ゆっくり歩こう。」

私たちの日課は、あの庭園の橋を二人で渡ることだった。

あの日、初めて正体を知った場所。私にとっても、煌にとっても大切な思い出の橋。

「……鄭妃はいかがですか。」

思い切って尋ねると、煌は少し考えてから頷いた。

「大人しいね。もう少し自分の意見を持つといいのだけど。」

私は彼の手をぎゅっと握り返した。

「まだ若いのですもの。煌が導いて差し上げればよいのですわ。」

その言葉に、煌はふっと笑った。

そして橋の上で立ち止まり、私の手を引き寄せると、唐突に唇を重ねた。

「小桃……俺が欲しいのは、いつだっておまえだけだ。」

夕陽に照らされた橋の上で交わされた誓いは、私の胸を熱く染め上げた。
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