桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
煌はしばし沈黙し、そしてそっとお腹に手を置いた。

「……神の子、か。」

彼の手の温もりが、夢と現実をつなげる。

「小桃。やはりこの子は特別なのかもしれないな。」

私は頷いた。

「ええ。……きっと国を救う子になる。」

煌は私を強く抱き寄せた。

「何があろうと、俺はおまえとこの子を守る。」

胸に響くその言葉に、夢で感じた不思議な力が重なり、私は涙ぐんだ。

「柳貴妃が神の子を宿しているらしい。」

そんな噂が、後宮中に駆け巡った。

きっかけは侍女たちのささやきだった。

「龍神が夢枕に立ち、子を授けたと……。」

「ならば、あのお腹の子は神の御心を宿す存在だ。」

やがてその話は、妃たちの間にも広がっていった。

「ただの商人の娘が……神の子を?」
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