桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「これでは、皇后様の立場さえ揺らぎかねません。」

怨嗟と嫉妬の視線が、日に日に強く私に注がれていった。

だが――皇后様は微笑を崩さなかった。

「いいではありませんか。神が与えたもうた命なら、国の福となるでしょう。」

その穏やかな言葉に誰も反論はできなかったが、私には分かった。

(……皇后様でさえ、この子の存在を恐れている。)

煌はそんな私を抱き寄せ、静かに囁いた。

「気にするな、小桃。たとえ神の子でなくとも――俺にとっては、かけがえのない我が子だ。」

私は彼の胸に顔を埋め、祈るように頷いた。
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