桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「次こそ、私の番よ。」

「いいえ、次は私です。」

夜伽の当番表を前に、妃たちは息巻いていた。

「皇子を産んだ柳妃に続けとばかりに……」

その視線には、熱と嫉妬が入り混じっていた。

だが、産後ひと月が過ぎたころ、呼ばれたのはまた私だった。

「柳妃様、今宵は皇太子様がお望みです。」

侍女の言葉に戸惑う私を、煌が優しく抱き寄せた。

「龍明も一緒に寝よう。」

寝所に連れて行った赤子を、煌は大切そうに抱き上げる。

「三人で眠るのが、一番幸せだ。」

私と龍明を布団の中に並べ、その頬に口づける。

「小桃……君と龍明、二人を抱いて眠れるなんて、これ以上の幸福はない。」

私は胸が熱くなり、眠る我が子を抱き締めながら煌に微笑んだ。

「私も……幸せです。」

外の妃たちの不満など、このひとときには遠い世界のことのようだった。
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