桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
「……教えて下さい。」
司馬陽の声は静かで、けれど逃げ道を塞ぐように重かった。
「い、いえ……」
必死に首を振る私を、彼はじっと見つめる。
「力になります。柳貴人。」
その真摯な眼差しに、心が揺れた。
信じていいのか、罠かもしれない。
それでも胸に押し込めてきた想いは、もう堪えきれなかった。
「……将軍とは、幼馴染みです。」
司馬陽の言葉が零れ落ちた瞬間、自分でも信じられないほど肩の力が抜けた。
「誰にも言わないでください……実は、恋仲なんです。」
唇から溢れた真実に、頬が熱くなる。
司馬陽はぽかんと口を開けたまま固まっていた。
「……そうですよね。信じられないですよね。」
恥ずかしさに顔を伏せる。
けれど次に返ってきた言葉は予想外だった。
「いえ……ただ驚いただけです。あの将軍が女に熱を入れるなんて……」
小さく息を呑む。
(そう……やっぱり特別なのは私だけ……)
胸の奥が、羞恥と幸福でいっぱいに満たされていった。
司馬陽の声は静かで、けれど逃げ道を塞ぐように重かった。
「い、いえ……」
必死に首を振る私を、彼はじっと見つめる。
「力になります。柳貴人。」
その真摯な眼差しに、心が揺れた。
信じていいのか、罠かもしれない。
それでも胸に押し込めてきた想いは、もう堪えきれなかった。
「……将軍とは、幼馴染みです。」
司馬陽の言葉が零れ落ちた瞬間、自分でも信じられないほど肩の力が抜けた。
「誰にも言わないでください……実は、恋仲なんです。」
唇から溢れた真実に、頬が熱くなる。
司馬陽はぽかんと口を開けたまま固まっていた。
「……そうですよね。信じられないですよね。」
恥ずかしさに顔を伏せる。
けれど次に返ってきた言葉は予想外だった。
「いえ……ただ驚いただけです。あの将軍が女に熱を入れるなんて……」
小さく息を呑む。
(そう……やっぱり特別なのは私だけ……)
胸の奥が、羞恥と幸福でいっぱいに満たされていった。