桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
私は必死に司馬陽の袖を掴んだ。
「……止めてください。言わないでください。」
「しかし――」
「皇太子様の妃であるのに、他の男を想っているなんて……知られたら……!」
言葉にした瞬間、胸の奥が凍りついた。
それは後宮において許されぬ背信。
知られれば、どんな罰が待つか分からない。
震える私の背を、司馬陽は静かに撫でた。
「柳妃……あなたの怯えも分かります。しかし、逃げ続けることはできません。」
「……っ。」
「今夜、皇太子様をこちらにお呼びしましょう。その時こそ、あなたの想いを直接お伝えなさい。」
「……皇太子様が、ここに……⁉」
息が止まったように胸が縮む。
煌しか愛せない私が、皇太子に会うなど――。
「伝えるのです、柳妃。あなたが心を寄せているのは誰なのか。」
司馬陽の声は厳しくも優しく、逃げ場を与えぬ響きを持っていた。
私はただ膝の上で両手を握り締め、震え続けるしかなかった。
煌への愛と、妃としての義務。
その板挟みが、夜の闇よりも重くのしかかってきた。
「……止めてください。言わないでください。」
「しかし――」
「皇太子様の妃であるのに、他の男を想っているなんて……知られたら……!」
言葉にした瞬間、胸の奥が凍りついた。
それは後宮において許されぬ背信。
知られれば、どんな罰が待つか分からない。
震える私の背を、司馬陽は静かに撫でた。
「柳妃……あなたの怯えも分かります。しかし、逃げ続けることはできません。」
「……っ。」
「今夜、皇太子様をこちらにお呼びしましょう。その時こそ、あなたの想いを直接お伝えなさい。」
「……皇太子様が、ここに……⁉」
息が止まったように胸が縮む。
煌しか愛せない私が、皇太子に会うなど――。
「伝えるのです、柳妃。あなたが心を寄せているのは誰なのか。」
司馬陽の声は厳しくも優しく、逃げ場を与えぬ響きを持っていた。
私はただ膝の上で両手を握り締め、震え続けるしかなかった。
煌への愛と、妃としての義務。
その板挟みが、夜の闇よりも重くのしかかってきた。