桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
そして私は、改めて夜の誘いを受けた。
「柳妃。皇太子様が、今宵お所望です。」
司馬陽の言葉に、今度は迷わず頷いた。
「……分かりました。必ず参ります。」
湯殿に向かうと、侍女たちが丁寧に衣を解き、湯を用意してくれる。
湯面には淡い桃の花びらが浮かび、ほのかに甘い香りが立ちのぼっていた。
「桃の香りをお湯に入れております。」
「……ありがとう。」
最初は不思議に思ったこの香りも、今は私と煌。
――ふたりだけの秘密の証のように思えた。
身を清め、夜着をまとい、胸の奥に高鳴りを抱えながら皇太子様の寝所へと向かう。
「柳妃様、お見えです。」
宦官の声とともに扉が開かれる。
そこには正装を脱ぎ、私を待ち構えていた煌がいた。
その眼差しは、ずっと会いたかった人に向けられるもの。
私の足は自然と前に進み、胸の奥の震えが甘い期待へと変わっていく。
「柳妃。皇太子様が、今宵お所望です。」
司馬陽の言葉に、今度は迷わず頷いた。
「……分かりました。必ず参ります。」
湯殿に向かうと、侍女たちが丁寧に衣を解き、湯を用意してくれる。
湯面には淡い桃の花びらが浮かび、ほのかに甘い香りが立ちのぼっていた。
「桃の香りをお湯に入れております。」
「……ありがとう。」
最初は不思議に思ったこの香りも、今は私と煌。
――ふたりだけの秘密の証のように思えた。
身を清め、夜着をまとい、胸の奥に高鳴りを抱えながら皇太子様の寝所へと向かう。
「柳妃様、お見えです。」
宦官の声とともに扉が開かれる。
そこには正装を脱ぎ、私を待ち構えていた煌がいた。
その眼差しは、ずっと会いたかった人に向けられるもの。
私の足は自然と前に進み、胸の奥の震えが甘い期待へと変わっていく。