桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
翌朝。

差し込む光に目を細めながら身を起こすと、傍らで煌が衣を整えていた。

昨夜の余韻がまだ体に残り、頬が熱くなる。

「起きたか。」

振り返った煌は、いつものように微笑んだ。

「侍女に用意させた。ほら、温かいうちに食べよう。」

小卓に置かれていたのは、湯気を立てる白粥だった。

香ばしい胡麻と刻んだ生姜の香りが漂い、思わずお腹が鳴る。

「……昨夜は疲れただろう。体に優しいものをと思ってな。」

そう言って、さじを手にした煌が私の口元に差し出す。

「えっ……自分で食べられます。」

慌てる私に、彼は悪戯っぽく笑った。

「いいから。俺が食べさせてあげるよ。」

さじを口に含むと、優しい塩気と温もりが広がる。

「……美味しい。」

煌は満足そうに頷き、私の頬を撫でた。

「こうして一緒に朝を迎えるのが夢だった。小桃、ずっとこうしていたい。」

胸がいっぱいになり、私は涙ぐみながら微笑んだ。

「……はい。私も、ずっと。」

朝の静けさの中、ふたりだけの時間が穏やかに流れていた。
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