桃果の契り 才人妃は皇太子に溺愛されて
そして桃の香りを身にまとい、私は煌の寝室に辿り着いた。

「……小桃。」

扉を開けた途端、煌は強く抱きしめてくる。

「俺はもう、小桃なしでは生きられないよ。」

その熱い囁きに胸が震え、唇を重ねる。

「……煌。」

抱擁の中で、私は恐る恐る口を開いた。

「ねえ……他のお妃様のことも、たまには気にかけてあげて。」

煌の動きが止まり、真剣な瞳が私を射抜いた。

「俺は……小桃以外を抱く気はない。」

その言葉は甘くも、重く響く。

「でも……それが後宮の火種になるのです。」

震える声で訴えると、煌は無言のまま私を見つめた。

瞳には揺るぎない決意と、譲らぬ想いが燃えている。

(私は、嬉しい。けれど――このままでは、後宮に大きな波が立つ。)

彼の腕の温もりにすがりながらも、胸の奥に不安が渦巻いていた。
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